三島由紀夫「近代能楽集」

今まで、三島由紀夫はまったく触らずに生きてきました。
だって…「割腹自殺」したせいで有名になった。
というのがどーにも、解せなくて。

ですが、愛してやまない「泉鏡花」に”ちょっと似てる”と言われて
読んでみました。

一言感想:けっこう、意外と上手い、かも。

作品がどれも綺麗にまとめられているし、
言葉一つ一つが冴えてる感じ。
細部にまで神経が行き届いている印象。
今まで食わず嫌いを通して、スミマセンでした…
以下、作品中、特に気に入った2作の大まかな内容です。

卒塔婆小町:
【素地】百夜通い。絶世の美女・小野小町に恋焦がれた深草少将が、「百夜通ったらおつきあいいたしましょう」といわれて、実際に通うこと99日、最後の最後の日に、死んでしまう。という悲恋の話(でしたよね、確か)。
【作品】〈素地〉の100年後(限りなく現代)のとある公園にて。登場するのはベンチと、すっぱい匂いをふりまくおばあさん、そして若き詩人(男性)。この恋に落ちるはずもない二人が、するり。恋に落ち、気がつけば互いは・・・

・葵上:
【素地】;言わずもがな、の「源氏物語」。光源氏六条御息所、葵上、
【作品】:現代、ある病院の病室にて。葵、原因不明の病にて入院中。光、仕事先から慌てて駆けつける、夜中、やってくる訪問客は・・・

三島由紀夫 「近代能楽集」短編集です。

近代能楽集 (新潮文庫)

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