愛する人に。 石井ゆかり

禅語を読みまくっていたときに、ネットで当たった石井ゆかりさん。以来、彼女がつむぎだす言葉のファンです。星占いサイト「筋トレ」主催者というのが、彼女の肩書きであるけれど、石井さんの根本的な魅力は、多くの人を魅了してやまないその「言葉」であり、つまるところ「思考」であると思う。

愛する人に。 石井ゆかり

愛する人に。

愛する人に。

この本を読んでその思いを確かにした。この人は、いわゆる哲学者であり宗教者なんだな、と。その知識は大海のように深く広く、他者への視線はどこまでも優しい。そして一心にひたすらに、人間の心をみつめて、人間の本質をみつめてつむがれる言葉たちに、癒され涙する。
時折文中に引用されるのは、「シラノ・ド・ベルジュラック(エドモン・ロスタン)※オペラ座の怪人、の元になった古典」に「ガラスの仮面」「経済学・哲学草稿(カール・マルクス)」と実に幅広い。あ゛〜…元来、そういう方なのですね。ナットク。
石井ゆかりはさんは「私は占い師ではない」「もの書きです」といろんなところで話しているけれど、本当にそうなんですね。ゆかりさんが考えていること感じていることがまず先にあって、そういうことを伝えていくのに「星占い」は面白い魅力的なツールだった、ということなのですね。

【本の内容】
片思い、嫉妬、死別、セックス、不倫、遠恋、結婚…愛に関する15のテーマで書かれた哲学書。他者を愛することは、何よりも自分と向き合うことであるのだ、とすとんと心に入ってくる。