WITTGENSTEIN(ヴィトゲンシュタイン)DVDを視る

見よう、と思いつつなかなか手をつけられなかったDVDを見ました。

ヴィトゲンシュタイン[DVD] 監督:ディレクジャーマン

ヴィトゲンシュタイン(廉価版) [DVD]

ヴィトゲンシュタイン(廉価版) [DVD]

人が時に愚かな事をしなければ、
意味あることは何もなし得ない
――ヴィトゲンシュタイン

【作品のあらすじ(と感想を少し織り交ぜつつ)】
この言葉で始まる、ヴィトゲンシュタインの人生を描いた作品。
(少年時代から癌で死ぬまで)
20世紀、最も影響力のあった哲学者である彼について、
強烈なユーモア(ブラック?)に愛を込めて描いている。
言語について、世界について、その狭間で苦悩する彼。他者への絶大なる影響力を持ちながらそんなことには全く無自覚で、でも愛されたくて、労働者になろうとしたら哲学教授のポストしか空いてないと言われてしまう、大学で授業するのが怖くて嫌でたまらないけどその後で彼氏と映画見に行くことだけを楽しみに渋々授業を承諾してしまう、自分はどこまでもどこまでも内向的に苦悩していくホモのおじさん――。そんな弱くて、ダメ人間的な、ヴィトゲンシュタイン像。
私はそんなヴィトゲンシュタインを「いいな」と思ったし、これを見て、彼の著作をもう少し読み足そうかな、と思ったけれど…そもそも、彼を敬愛する人はこれを見てどう感じるのか?それは甚だギモンである。。。(私の友人で、ヴィトゲンシュタインを「兄貴ィ!」と敬愛する人がいるのだけれども、、、彼にこのDVDを貸すと約束しちゃったのだけれども、、、その感想を聞くのがなんだか恐いよー・・・)あと、哲学者バートランドラッセルとか経済学者メイナード・ケインズとか実在の人物も多数登場してます。笑えます。

【映像的観点について】
映像的観点から言えば、背景は基本的にずっと黒一色。その中に、ヴィトゲンシュタインほか登場人物が極彩色で唐突に現れ、ヴィトゲンシュタインと交わり、そして唐突に消えていく。(ただし、ヴィトゲンシュタイン当人だけは、ごく普通なシャツにベスト、みたいな格好である)淡々と進む。キッチュ?的なものがイケる人は、イケると思う。
(作品制作側から見ると…「お金かからなかっただろうなぁ。ウマイっ!」)


【鑑賞後の感想】
ヴィトゲンシュタイン、または、監督であるディレクジャーマン。どちらか、または両方が私は強烈に気になっている。好きだ、と言えるかもしれない。「あ、わかる」というのが感想。ただ、ヴィトゲンシュタインについて、私はまだ「色彩について」しか読んでいないのでなんともいえない、というのが現状の結論であるかな(あはは、ヴィトゲンシュタイン好きな人に言わせれば、ヘンな入りですよね〜、すみません)。ちなみに私がもっとも肌があう哲学本は現在のところ、
アデュー―エマニュエル・レヴィナスへ 作者:ジャックデリダ です。

アデュー―エマニュエル・レヴィナスへ

アデュー―エマニュエル・レヴィナスへ

この本については、いつかまた、ちゃんと書きたいです。

ヴィトゲンシュタインの名言】

およそ語られうることは明晰に語られうる。そして、論じえないことについては、人は沈黙せねばならない。――ヴィトゲンシュタイン論理哲学論考


ひぇ〜〜。かっこよすぎますね!!!!!!!!!!

【今後の読書対象本】
論理哲学論考

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (岩波文庫)

論理哲学論考 (叢書・ウニベルシタス)

論理哲学論考 (叢書・ウニベルシタス)

論理探求 
※共にヴィトゲンシュタイン